成人式に振袖を着るようになった理由をお教えします
最終更新日:2022年2月12日 12:00
このコラムの目次
成人式。
その際に着る服装は様々ありますが、やはり人気なのは振袖です。
では、その振袖はいつから着られるようになったのでしょうか?
本記事では、成人式に振袖を着るようになった理由について解説いたします。
振袖はいつからあるのか。
その歴史をさかのぼると江戸時代からあると言われております。
振袖はもともと、子ども用の小袖がその起源です。
体温の高い子どもが体温を外に逃がすことができるよう、わきが大きく開いたデザインとなっていました。
その後、その子どもが大きくなり体温を逃がす必要がなくなるとわきをふさぎ、また袖の部分の長さを短くして再度利用していました。
江戸時代にはその袖がどんどんと長くなりました。
諸説ありますが、一説にはおしゃれがその目的だと言われています。
歌舞伎などで袖の長い着物を着用しているのを見た当時の女性が、おしゃれだと感じ実生活に取り入れたのだとか。
成人式、それ自体は新しい文化です。
過去、日本に成人式という文化はなく、第二次世界大戦が終わってから成人式は行われるようになりました。
では、それ以前は、大人になったことを祝う行事は日本には存在しなかったのでしょうか?
そんなことはありません。
第二次世界大戦以前も日本では、大人になったことを祝う行事が行われていました。
その行事は、元服です。
元服という名前は聞かれたことのあるという方も多いことでしょう。
元服とは古くは奈良時代から行われていると言われている、日本古来の成人になったことを祝う行事です。
成人式自体は新しい文化であってもその起源となると、このように古い歴史があります。
振袖の袖が長い理由は、先述いたしましたが、もともと短かった袖が次第に長くなったことに由来するものだという説があります。
袖が長いことで、所作を美しく見せることができ、男性の気をひいたり自身をより魅力的にみせることができたりという効果があると言われています。
また、その長い袖の活用として、男性に誘われた時に袖の振り方によって男性の気持ちを受け入れるか断るかを示すということもあったようです。
これは、現代にも残っている「男性をふる」という言葉の語源ともなっています。
成人式の際に振袖を着用する理由は、公的な意味を持つ装いをすることで気持ちを正し、自分が大人になったということを改めて自覚するという意味があります。
仮に、成人式が全員いつもどおりの私服で参加するイベントだったとしたらどうでしょうか?
成人になったという自覚はいまよりももっと持ちにくいかもしれません。
それが、振袖を着用することによって、気持ちを厳かにし、成人になったということを自他ともに明確に感じられるようにしているのです。
成人式で振袖を着るようになった理由について解説いたしました。
古くは江戸時代からある振袖の変遷やその歴史、成人式の起源などに関わる歴史について説明いたしました。
成人式で振袖を身に着けることは今ではとても当たり前のことです。
当たり前すぎて、何故身に着けるのか、それは一体いつからの文化なのかなど、細かな歴史に思いを馳せることもなかなかないかもしれません。
しかし、成人式は一年に一度しかない、一人の人間が成人したということを祝う大変厳かなイベントです。
だからこそ、その歴史について知り、佇まいを正して振袖に袖を通すことには意味があるのではないでしょうか?
背筋を正し、振袖に袖を通し、厳かな気持ちで成人式に臨みましょう。
そうすることで、その成人式はあなた自身にとってさらに意味のあるものになることでしょう。