七五三で母親が着る着物の付け下げについてご紹介
最終更新日:2022年2月12日 11:48
七五三の衣装で何を着よう?
悩んでおられるお母さんも多いと思います。
こちらの記事では、七五三の衣装でおすすめの「付け下げ」についてご紹介します。
このコラムの目次
付け下げとは付下げとも書く、訪問着を模してつくられた着物のことです。
訪問着と比べると模様が少ないことが特徴です。
多く、反物の状態で染色され、そのまま店頭に並んでいます。
付け下げの歴史はまだまだ新しく、20世紀前半に生まれたばかりの新しい着物です。
小紋をつくる手法があるのですが、その発展形が付け下げです。
反物を裁断した際に模様の上下が統一されるように反物に模様を描く。
その技術の発展により小紋よりもより華やかな和服がつくられるようになりました。
この和服が、付け下げです。
付け下げは、訪問着を模してつくられた着物です。
では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
付け下げと訪問着の違いについて知るために、訪問着とは何なのかを知っておきましょう。
訪問着とは、和服の種類の一つで、正装です。
現在、紋の入っていない訪問着も多くありますが、訪問着はもともと両袖・背中に家紋を入れるものでした。
訪問着の模様付の特徴として、「絵羽」があります。
「絵羽」とは、反物を裁断・仮縫いした後に絵を描きます。
絵を描いたのちに仮縫いをほどき、染色を行います。
帯の上下双方に柄があり、柄はすべて縫い目をまたぐようにつながっています。
パーティーや結婚式など正装が必要とされる場で用いられる着物で、その用途が「訪問着」という名前の由来です。
縫い目をまたぐように柄がすべてつながっているものが、「訪問着」。
つながらないものが、「付け下げ」です。
近代になってから生まれたのですが、その誕生のきっかけは、豪華ではない訪問着をつくることでした。
戦時中は、まだ現代のように洋服を着る文化ではなく多くの方が和服で生活をしていました。
戦時中、質素倹約が尊いとされ、金や銀の糸で作られた豪華な訪問着の使用は良しとされませんでした。
ただ、訪問着は正装ですので着る必要のある行事はあります。
そこで身に着けるための豪華でない訪問着。
それが付け下げだったのです。
結婚式・パーティーなど、華やかな場では、訪問着を着ることのほうがより好まれます。
ただ、七五三では主役はお子さんでありお母さんやお婆さんではありません。
そのため、七五三の衣装としては、訪問着ではなく付け下げを身に着けることが好まれます。
訪問着が正装であるのに対し、付け下げはセミフォーマル、そのなかでもとりわけカジュアルに近い立ち位置です。
かしこまりすぎずに着こなすことができますので、様々な場所に着て出かけることが可能になります。
母親が七五三に着ていく着物としては、
・訪問着もしくは付け下げ
・色無地
・紋は、江戸小紋が無難
であると言われることが多いです。
具体的にいうと上記のようになりますが、つまり主役である子どもより目立つことのない服装をするようにということです。
それを考えると、訪問着を着て七五三を行うよりも付け下げを着て行う方がより適しているといえます。
絶対に付け下げでなければならないという決まりがあるわけではないのでこだわる必要はありません。
ただ、このような内容を知っているのか知っていないのかで着物のチョイスも変わってきますので、知識として知っておいた方が良いでしょう。
七五三で母親が着る着物の種類についてご説明しました。
普段着物を着ることは少なくなってきていますので、付け下げという言葉を初めて聞いた方もいらっしゃると思います。
七五三で着る母親の衣装は華美にならないように付け下げを着ることがおすすめです。