七五三の着物 肩上げについてご紹介
最終更新日:2022年2月12日 11:43
もうすぐ七五三を迎えられる子どもに袴や着物を着せてあげたい!というご家族も多いでしょう。
しかし、七五三の着物には事前準備として「肩上げ」が必要なのをご存じでしょうか?
既製品の七五三着物では必ず「肩上げ」が施されているため、肩の部分が盛り上がっています。
今回は、そんな七五三で着る着物の肩上げの意味や縫い方についてご紹介します。
このコラムの目次
子どもが着る着物の袖の長さを調節するために縫われたタックのことを、「肩上げ」と言います。
着物の肩上げは大人が行うものではなく、子どものみが行うものとされています。
肩上げの幅を変えることにより、袖の長さを長くも短くも調節ができます。
これは、子どもが成長しても同じ着物を長く着せることができるようにという日本人の知恵によるものなのです。
また、肩上げには「これから成長する存在・半人前・子ども」などの意味が込められています。
そのため、十三歳までは肩上げをするのが一般的です。
逆に言い換えると、子どもであるにも関わらず肩上げが施されていないということは、「もう成長しない・成長しなくて良い」ということになります。
これでは縁起が悪いので、「子どもであれば数センチでも肩上げをする方が良い」とされているのです。
また肩上げをすることで、見た目的からしても可愛い子どもらしさを強調することができます。
子どもが主役の七五三ですから、とびきり可愛い衣装を整えてあげたいものです。
では実際に七五三の肩上げの縫い方について紹介していきましょう。
まず、着物の肩上げの位置を決めます。
衿の中心から袖の付け根までの長さを測り、その真ん中あたりに印を入れます。
これが肩上げの位置になります。
子どもの裄丈(ゆきたけ)を測ります。
裄丈(ゆきたけ)とは、子どもの首根本の真ん中から肩へいき、肩から手首のくるぶしまでの長さを指します。
測る際には腕を横や下に伸ばさずに、腕を45度開いた状態で長さを測りましょう。(Aのサイズ)
また着物を横に広げ、襟の中心から袖口までの長さを測ります。(Bのサイズ)
このBのサイズからAのサイズを引き算した数字が肩上げ寸法にあたります。
肩上げの折山線となる部分の「肩上げ山」を決めます。
そこから肩上げ山の位置を決めるためには、肩上げ山の起点を決めなければなりません。
起点は肩上げ位置を中心に、肩上げ寸法の半分毎に印を打ちます。
起点を決めたら、肩上げ山を決めます。
肩上げを仕上げた際に、折山線となる部分が肩上げ山です。
袖から横の延長線と肩上げ山の起点が交差する場所から2センチ上までが肩上げ山になります。
この2センチ上までを、2.5センチ間隔の二目落としの方法で縫っていきましょう。
七歳のお子様に関しては、サイズの調整だけを考えると肩上げは必要ないのかもしれません。
しかし縁起物という意味で考えると、やはりほんの1センチだけでもしておきましょう。
近頃では多くの呉服店や着物クリーニング店にて、数千円から肩上げをやってもらえるので、自分で縫う時間がない!という方は利用してみるのも良いでしょう。
今回は、七五三の着物の肩上げの意味や縫い方についてご紹介しました。
七五三にはお子様に晴れやかな着物を着させて、家族で記念撮影をすることも多いです。
その際に、着物の肩上げをしていない写真が残ると、常識を知らないと思われることもあるかもしれません。
見る人によっては、「縁起が悪い」と感じることもあるでしょう。
そう思われないためにも、七五三の事前準備の一つとして「着物の肩上げ」はしっかりと行っておきましょう。