【お宮参りの着物】女の子用の着物に描かれた柄の意味は?
最終更新日:2022年2月12日 11:30
お宮参りに赤ちゃんに着せる着物には、赤ちゃんの今後の幸せな成長を意味するさまざまな柄が描かれています。
また、その柄の種類は男の子・女の子で異なります。
今回はお宮参りの着物の柄として、女の子用の着物に描かれた柄の意味についてご紹介していきます。
このコラムの目次
お宮参りの着物に描かれている柄は男の子・女の子によって違いはあっても、どちらも子どもの成長・無事を願う親の気持ちというものが込められています。
着物を選ぶ際には、その柄に込められた意味に注目して選んでみることで、その赤ちゃんが成長した後に「こういう願いを込めてこの着物を選んだ」という風に、写真を見せながら思い出話をすることもできます。
もちろん、男の子であっても、女の子であっても柄の選び方に決まりというものはありません。
家族全員で相談しつつ、赤ちゃんの成長を祈って選んであげてくださいね。
女の子用のお宮参りの着物に描かれるそれぞれの柄とその意味について見ていきましょう。
「御所車」は、平安時代に京都御所周辺で使用されていた貴族の乗り物である「牛車」の別称です。
「女の子が玉の輿に乗れますように」という願いが着物に込められています。
この御所車に多くの花を飾られているのが「花車」であり、桜・菊・牡丹といった日本の四季を彩る花々が描かれています。
気品のある御所車・花車は、女の子の美しい成長、そして祝福を願う気持ちが込められています。
平安時代には貴族の間で、蹴鞠(けまり)という遊びが流行りました。
そのため美しく作られた毬は、気品と高貴さが表されています。
また、そのほか、丸い形の毬には「すべてのことが丸く収まりますように」「丸々と可愛らしく成長できますように」という願いが込められています。
さらには、毬は子どもの遊び道具でもあることから、子どもが寂しさを感じないよう「子どものお守り」としての意味も含まれています。
お宮参りの着物に鈴が描かれている理由としては、鈴を鳴らして神様に呼びかけることで願い・祈りを神様に届けるということを意味しています。
古来、鈴の音には魔物・獣を追い払い、縁起の良いものを引き寄せるという力があると信じられていたのです。
熨斗が束ねられた束ね熨斗は、「人のご縁・絆などに恵まれる」ということを表しています。
周囲の人たちから多くの祝福を受けて、幸せをみんなで分かち合ってもらいたいという願いが込められているのです。
こちらの柄については、男の子用の着物の柄に描かれていることもあります。
古典楽器である「鼓」をモチーフに取り入れています。
「王朝文様」と言われている、優雅でみやびな平安貴族への憧れが描かれた模様の一つでもあり、上品で美しい雰囲気が漂います。
音が「よく鳴る」と、すべての物事が「よく成る」をかけており、女の子の幸せな成長に願いが込められています。
糸を巻き付ける器具を表した柄になります。
昔は糸を操ることも糸で縫うことも女性の仕事であったため、女児や女性の着物の柄に描かれていることが非常に多いです。
糸巻きから長く伸びて糸が切れないその様子が、「長寿」「子孫繁栄」を意味すると言われています。
今回はお宮参りの着物の柄として、女の子用の着物に描かれた柄の意味についてご紹介しました。
時代は変化しても、「すくすく成長して欲しい」という親心は変わらないことでしょう。
着物の柄に込められた意味も含めて、お宮参りの着物選びの参考にしてみてくださいね。