知ったらもっと楽しくなる七五三の歴史①
最終更新日:2022年2月12日 13:28
11月15日は七五三です。
この日は3歳と5歳、7歳の子供の成長を祝うという日本の伝統的な行事です。
神社やお寺に参拝することになりますが、この日にお祝いをする理由についてあまりよく知らない人も多いでしょう。
この行事の由来や歴史などを知っておくとより、七五三が楽しくなりますよ。
このコラムの目次
七五三の起源となる行事が始まったのは室町時代と言われています。
当時は乳幼児の死亡率がかなり高く、風邪や流行病で幼い子供が亡くなってしまうことが多かったのです。
そのため当時、子供は神様からの授かりものであり、7歳までは神であると考えられていたのです。
そのような歴史的な背景により、子供が生まれてもすぐに現在の戸籍に相当するものに登録されるのではなく、3〜4歳になってから登録されていました。
そして、子供が無事に育ったことを感謝し、長寿を願う行事が行われていたのです。
これが七五三の始まりとされており、最初は関東地方のみの風習でした。
しかし、関西地方を経て少しずつ全国へ広まり、明治時代には現在のような形になったとされています。
七五三はなぜ11月15日に行われるようになったのかということですが、そこには歴史的な背景が隠されています。
元々旧暦の11月15日は鬼が出歩かない日と言われており、結婚式以外のことは順調に行えると考えられている日でした。
また、この日は満月になるため日本各地で収穫祭が行われる日でもあったのです。
江戸時代になると収穫祭では作物の収穫に感謝するだけでなく、子供が無事に成長したことにも感謝するようになりました。
そして、さらなる繁栄と安寧を祈願する神事が行われるようになったのです。
七五三は江戸時代に、幕府5代目将軍であった徳川綱吉の長男、徳松(とくまつ)の健康を祈願したことが始まりと言われています。
この日が1681年11月15日だったため、現在でも11月15日にお祝いが行われるようになったのです。
七五三は3歳と5歳、7歳で行うことになりますが、それぞれの年齢で異なる意味があります。
3歳は髪置きの儀式からきています。江戸時代の頃は子供が3歳になるまでは髪を剃るという習慣がありました。この儀式を終了すれば赤ちゃんからの卒業と認められ、髪を伸ばし始めます。
5歳で行われるのは袴儀で、これは男の子が初めて袴を身につける儀式です。昔は男女の区別はありませんでしたが、時代の経過に伴い男の子だけが行うようになりました。
7歳で行われるのは帯解きと呼ばれる儀式で、女の子が一人前と社会から求められ、幅広の丸帯を結んでいました。
七五三は元々数え年で行われていたものですが、最近では満年齢で行われることが増えてきています。
数え年で七五三を行う場合、満2歳と満4歳、満6歳の年に行うことになります。
七五三は元々家族だけで伝統的なお参りをするものでしたが、最近では祝い方が多様化してきています。
着物だけでなくタキシードやドレスを着て写真撮影をするということもあります。
和服を着るのは幼い子供にとって大変なこともありますし、和服にこだわらない人が増えているということです。
また、親戚や知人などを大勢集めてお祝いをするというケースも多いです。
ホテルで宴席を開くこともありますし、結婚披露宴のように豪華なお祝いをすることもあります。
ご祝儀は親族なら1~2万円であり、他の人は3千~1万円程度が相場です。
お返しは元々必要なく、お菓子や赤飯を返礼にすることが一般的です。
場合によっては半額から3分の1程度の内祝いを贈っても良いかもしれません。
七五三は3歳と5歳、7歳の子供の成長を祝い、神社で成長の報告や感謝をするという日本の伝統的な行事です。
昔は子供が健康的に成長することが難しく、幼い時期に亡くなってしまうことも珍しくありませんでした。
そこで子供の健康を願う儀式が行われるようになったのです。
それぞれの年齢には意味があり、数え年で行っても満年齢で行っても問題ありません。
歴史を知ることは理解が深まり楽しくなりますし、お子さんになぜお祝いするのか説明してあげるのもよいかもしれませんね。