七五三の日 11月15日の由来は知っている?
最終更新日:2022年2月12日 13:25
子どもの成長を感謝し、健康と長寿を祈願する11月15日の行事といえば七五三です。
着物を着て神社にお参りに行ったり、写真館で記念の写真撮影をしたりする人も多くいます。
そんな七五三の由来には奥深いものがあります。
このコラムの目次
「なぜこの日に七五三のお祝いをするのか」案外知らない方も多いのではないでしょうか。
実はこの日が七五三の日になった由来は江戸時代に遡ります。
そのころの将軍・徳永家光の長男として産まれた徳松は、のちに徳川綱吉となり活躍する人物です。
しかし小さいころは体が弱かったのだそうです。
そこで、縁起の良い日とされていた旧暦の15日を選び、この子の健康を祈願しました。
それからというもの、徳松は健康にすくすくと育ちました。
それが11月15日だったことにあやかり、やがて全国的に11月15日に子どもの成長を感謝し、今後の健康を祈願する行事がおこなわれるようになったのです。
11月15日に、徳川家の将軍が子どもの健康を祈念したことがきっかけで神事として広まった七五三ですが、もともとは室町時代が起源という話があります。
現代のように医療も発達していなかったこの時代は、亡くなる乳児や幼児の数も非常に多く、4歳前後になって初めて人別帳や氏子台帳に登録する慣わしになっていたほどです。
これらのことから、3歳・5歳・7歳のお祝いは、子どもが無事であったことに対するお祝いや感謝を捧げる節目となりました。
そしてさらにこれからも無事に長生きするようにと願う機会でもあったわけです。
江戸時代に将軍が子どもの健康を神に祈念したことも加わり、明治ごろには一般大衆の間でも現代のような行事がおこなわれるようになりました。
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳にお祝いする七五三。
しかし、なぜこの年齢でお祝いをするのでしょうか?
昔は髪置・袴着・帯解きという行事がそれぞれの年齢にありました。
3歳までは男の子も女の子も、髪を剃っておくことで病気の予防になるとされていたため、これ以降になって髪を伸ばし始めます。
5歳の袴着は、男の子が袴を初めて着ける節目、7歳の帯解きは、女の子が始めて大人の丸帯を着ける節目となっていました。
現代でも3歳や5歳・7歳は、言葉を話し始めたり乳歯が生え変わったりなど、子どもにとっても変化の感じられやすい時期です。
子どもの健やかな成長を祈念するのに相応しいタイミングでしょう。
白とピンクの細長い捧状の飴・千歳飴。
子どものころに神社へお参りに行った際に、買ってもらって嬉しかった思い出はありませんか?
この千歳飴も江戸時代から作られ始めたもので、その長さは長寿を意味しています。
年齢と同じ本数を近所や親戚の人に配るのも千歳飴の慣わしです。
七五三には写真館で記念の写真撮影をする人も多くいますが、そのときの小物としても活躍する千歳飴の袋は良いアクセントです。
何年たって見返しても、子どもがいくつのときだったか分かりやすく、そのときの風景や心情までもよみがえる、良い写真となるでしょう。
七五三の由来を知ると、より子どもの成長が愛おしくありがたいことに感じられることでしょう。
七五三は、かつては縁起が良い11月15日に行われていましたが、現代では必ずしもこの日でなくてはならないとは考えられていません。
とはいえ、10月の中旬から11月の中旬ごろにかけて、家族揃って神社にお参りに出かける人は多くいます。この時期、子どもの成長に思いを馳せてみるのも良いのではないでしょうか。